不動産買取とは?メリット・デメリットを紹介
不動産買取とは、不動産会社に直接不動産を買い取ってもらう売却方法です。仲介と比べて早く売却できるのが大きな特徴です。
ここでは、不動産買取の基礎情報を紹介し、買取のメリット・デメリットを比較します。また、仲介との違いにも触れていきます。さらに買取を利用する場合の注意点も紹介しますので、対策と合わせて確認し、安心して利用できるようにしましょう。
早く不動産を手放したいという方は必見の内容です。ぜひご覧ください。
目次
不動産買取とは?
不動産買取とは、不動産会社が直接不動産を買い取る方法です。
この方法では、不動産を売却する際に購入希望者を探す必要がありません。売主と不動産会社の間で交渉が成立すれば、すぐに買い取ってもらえるため、査定から売却完了までのスピードが非常に速いのが特徴です。
この迅速なプロセスにより、早急に現金が必要な場合や、すぐに物件を手放したい場合に非常に有効です。
不動産買取の流れ
不動産買取は、不動産仲介に比べて早く現金化ができる点が最大のメリットです。売却の準備から、売買契約までの流れを見ていきましょう。
STEP
不動産買取の相場を調べる
まず、買取相場を把握するために市場調査を行います。これは、不動産会社から提供される査定情報を参考にすることが一般的です。
STEP
不動産買取業者の査定を受ける
次に、複数の不動産買取業者に査定を依頼し、物件の価値を見積もってもらいます。これにより、最も高い査定額を提示する業者を選ぶことができます。
STEP
不動産買取業者を選ぶ
複数の査定結果を比較し、信頼できる買取業者を選びます。業者の評判や過去の取引実績も参考にすると良いでしょう。
STEP
買取の条件を確認する
選んだ業者との間で買取条件を確認します。価格や引渡し時期、その他の条件を明確にし、合意を得ます。
STEP
売買契約を締結する
買取条件に合意したら、売買契約を締結します。この契約には、売却価格や引渡し条件、支払い条件などが含まれます。
STEP
決済・引き渡し
最後に、決済手続きを行い、不動産を引き渡します。決済が完了すれば、売却代金が支払われ、物件の所有権が正式に移転します。
買取と仲介の比較
不動産仲介は、不動産会社が売却活動をサポートし、買主を見つけて契約を取りまとめる方法です。仲介と買取を比較すると、以下のような違いがあります。
特徴 | 不動産買取 | 不動産仲介 |
買主 | 不動産会社 | おもに個人 |
売却期間 | 7日~1か月 | 3か月~11か月 |
売却価格 | 市場相場の7割 | 市場相場 |
仲介手数料 | ない | ある |
販売活動・内覧 | ない | ある |
契約不適合責任 | ない場合もある | ある |
不動産買取は、買主を探す必要がないため、販売活動や内覧が不要です。これにより、売却完了までの期間が短くなります。また、買取ではハウスクリーニング費用や仲介手数料が不要であるため、売却にかかる費用が安くなるのがメリットです。一方、仲介では市場価格での売却が期待でき、買主が見つかるまで時間がかかることがあります。
不動産仲介を利用する場合
不動産仲介を利用する場合、売却活動は平均して1ヶ月ほどかかり、その後、売買契約締結から引渡しまでさらに1ヶ月ほどかかります。一般的に3ヶ月から11ヶ月ほどかかります。一方、不動産買取は、そのような手間がかからないため、平均して7日間から1ヶ月程度で売却が完了します。
このように、不動産買取は迅速な売却を希望する方にとって非常に有効な手段です。買取と仲介の違いを理解し、自分のニーズに合った売却方法を選びましょう。
不動産買取のメリット
短期間で売却して現金化できる
買取は仲介と違い、短期間で迅速に売却が可能です。通常の仲介では売却までに3〜6ヶ月かかることが一般的ですが、買取では数日から1ヶ月程度で現金化できます。急な資金需要がある場合や、早急に売却を完了させたい方には非常に有効な方法です。例えば、転勤や引っ越しなど、特定の期限内に不動産を手放す必要がある場合にも、買取のスピードは大きなメリットとなります。
契約破棄のリスクなく確実に売れる
不動産仲介では買主が一般の方であり、状況の変化やローン審査の結果などにより契約破棄になるリスクがあります。一方で、不動産買取では買主が不動産会社となるため、契約後の破棄はまずありません。これにより、売却が確実に行われるため、安心して取引を進めることができます。契約成立後の不安要素が少なく、ストレスフリーな売却が可能です。
仲介で売れない不動産でも売れる
仲介では買い手がつきにくい物件でも、不動産会社が自社で再販できると判断すれば買い取ってもらえます。例えば、築古物件や立地が悪い物件、リノベーションが必要な物件など、一般の買い手には魅力的でない不動産でも、プロの目で見て価値を見出せる場合には買取が成立します。これにより、売りにくい物件を持っている方でも、売却のチャンスが広がります。
準備の時間や手間をかけずに売れる
買取では販売活動に伴う掃除や内覧の立ち合いの手間が不要です。通常の仲介では内覧対応や物件の見栄えを良くするための準備が必要ですが、買取の場合はその必要がありません。多くの買取業者は、物件の現状を考慮した上で査定を行うため、清掃や修繕などの手間を省けることが多いです。特に、多忙な方や遠方に住んでいるために物件の手入れが難しい方にとって、手間のかからない売却は大きなメリットです。
まとまった費用を用意せずに売れる
買取では仲介手数料やクリーニング費用が不要なため、売却のためのまとまった費用を用意せずに売れます。仲介の場合、売却価格の数%を手数料として支払う必要がありますが、買取ではその費用がかかりません。また、物件の現状のまま売却できることが多いため、不要物の処分費用や修繕費用も不要です。これにより、初期費用の負担を軽減し、迅速に現金化することが可能です。
不動産買取のデメリット
売却価格が低くなる
買取価格は市場価格の7割から8割程度になることが一般的です。不動産会社は買い取った物件を再販して利益を上げるため、リスクやコストを考慮して価格を設定します。これにより、市場価格よりも低い価格での売却となるため、最大限の利益を求める方には不向きです。しかし、手数料や時間の節約を考慮した場合、総合的なコストパフォーマンスは必ずしも悪くない場合もあります。
不動産買取会社とのコミュニケーション不足
買取の取引は早く進むため、慎重に検討したい場合には不利になることがあります。短期間での取引完了を目指すため、詳細な相談や調整が十分に行われない場合があります。これにより、売主が十分に納得するまでの時間が取れず、不満が残る可能性があります。契約前にしっかりと条件や価格について話し合うことが重要です。
買取してもらえないケースがある
物件の場所や状態、市場の需要によっては買取を断られることがあります。例えば、需要の少ない地域にある物件や、大規模な修繕が必要な物件、再建築不可の土地にある物件などは、買取を拒否されることがあります。このため、全ての物件が買取対象となるわけではなく、事前に買取可能かどうかを確認することが重要です
不動産買取で売る方が良いケース
とにかく早く売りたい
急な転勤や離婚、相続などで早急に不動産を売却する必要がある場合、買取が最適です。通常の仲介では、買主を見つけるまでに数ヶ月かかることがありますが、買取なら数日から1ヶ月以内に売却が完了することが多いため、迅速に現金化することが可能です。これにより、急な環境の変化にも柔軟に対応でき、計画的に次のステップを踏むことができます。
まとまった現金が至急必要
入院や治療費、急な引越し費用など、まとまった現金が至急必要な場合も、不動産買取は有効な手段です。買取業者は即時に資金を提供できる体制が整っているため、急な資金需要にも迅速に対応してくれます。これにより、緊急時における資金繰りの不安を解消し、必要な資金をスムーズに確保することができます。
仲介で買い手がつかない不動産を売りたい
築古の物件、事故物件、墓地周辺など、市場で買い手が見つかりにくい不動産も買取なら売却できることがあります。一般の買い手にとって魅力的でない物件でも、不動産会社は再販のノウハウを持っているため、適切な価格で買い取ってもらえる可能性があります。これにより、売れ残りリスクの高い物件でも、スムーズに処分することが可能です。
不動産買取は「即時買取」と「買取保証」の2種類
不動産を売却する際には、「即時買取」と「買取保証」の2つの方法があります。それぞれの方法には異なる特徴とメリット、デメリットがあり、売却希望者の状況や目的に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。以下に、それぞれの方法について詳しく説明します。
即時買取とは
即時買取とは、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。迅速な取引が特徴で、物件の査定から売却までのプロセスが短期間で完了します。これにより、すぐに現金化したい方や、時間的余裕のない方にとって非常に有利な方法です。即時買取では、通常の仲介に比べて手間がかからず、煩雑な手続きも最小限に抑えることができます。
買取保証とは
買取保証とは、不動産会社に仲介を依頼し、市場で一定期間(通常3〜6ヶ月)売却活動を行った後、売れなかった場合にあらかじめ取り決めた価格で買い取ってもらうシステムです。この方法では、最初に市場での高値売却を試みることができ、最終的には買取価格での売却が保証されるため、売れ残りのリスクを大幅に軽減できます。
即時買取のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
迅速な取引が可能 | 買取価格が市場より低くなる |
手間やコストの削減 | 競争による価格向上の機会がない |
より確実に売却が見込める | 物件の状態による価格交渉が限られる |
売却時期が予測しやすい | 市場変動を利用しづらい |
即時買取は、不動産を迅速に売却し現金化したい方にとって非常に魅力的な選択肢です。手続きが簡素化されるため、時間や労力を大幅に節約できますが、市場価格よりも低い価格での売却となるため、最高価格での売却を目指す方には不向きです。
即時買取のメリットとデメリット
メリット | デメリット |
売れ残るリスクを軽減できる | 保証される買取価格が市場価格より低い可能性もある |
計画的な資金計画が可能 | 保証期間が満了する前に安易な売却を選ぶ可能性がある |
瑕疵担保責任が免責になる | 不動産会社を途中で変えられない |
資金調達の非確実性が解消される | 市場の動向によっては不利な条件がつく可能性がある |
買取保証は、売却が成功するかどうか不安な方にとって安心できる選択肢です。最初に市場での高値売却を試みることができ、売れなかった場合でも事前に決めた価格での売却が保証されるため、資金計画を立てやすくなります。しかし、保証期間中に市場が好転した場合でも、最初に取り決めた価格での売却となるため、最高価格での売却を狙う場合にはデメリットとなる可能性があります。
不動産買取の利用に関する注意点
不動産買取には多くのメリットがありますが、その一方で注意すべきポイントも存在します。これらを理解しておくことで、より安心して取引を進めることができます。ここでは、不動産買取の利用にあたって特に気を付けるべき点についてご紹介します。
買取価格の相場は仲介の7割程度
買取価格は通常、市場価格の約7割程度となることが一般的です。これは買取業者が物件を再販売するためのコストやリスクを考慮しているためです。このため、最良の価格で売却するためには、複数の不動産会社に見積もり査定を依頼し、提示された価格を比較することが重要です。複数の見積もりを得ることで、適正な市場価格を把握し、最も高い買取価格を提示する業者を選ぶことができます。
買取できない不動産もある
全ての不動産が買取対象となるわけではありません。例えば、立地条件が悪い物件や大規模な修繕が必要な物件などは、買取を断られることがあります。このような場合は、専門の買取業者を利用することを検討しましょう。特殊な物件に対応できる専門業者は、他の業者が敬遠する物件でも積極的に買取を行ってくれることがあります。まずは、複数の業者に相談し、自分の物件に適した業者を見つけることが大切です。
悪質な業者も存在する
不動産業界には一部悪質な業者も存在するため、慎重に業者を選ぶ必要があります。まず、業者の評判や資格情報を確認し、透明性の高い業者を選びましょう。国土交通省が運営する「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」を利用して、宅建士資格を持つ信頼できる業者かどうか確認することができます。また、インターネットで業者の口コミを調べることも有効です。悪い評価やトラブルの報告がある業者は避けるようにしましょう。安心して取引を進めるためには、信頼できる業者を選ぶことが不可欠です。
まずはご相談ください
不動産の売却方法には「即時買取」と「買取保証」の2つがあります。即時買取は、不動産会社が直接物件を買い取り、迅速に現金化できるため、急いで売却したい方に最適です。買取保証は、市場での高値売却を試みた後に売れなかった場合でも、あらかじめ決めた価格で売却でき、売れ残りリスクを軽減します。
買取は市場価格の約7割程度になることが一般的で、全ての物件が買取対象になるわけではありません。また、悪質な業者もいるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
自分の状況やニーズに応じて最適な方法を選ぶためには、専門家に相談し、複数の不動産会社から見積もりを取ることが大切です。不動産買取と仲介の違いを理解し、安心して売却を進めましょう。
この記事を監修した人
後楽不動産 売買事業部 岩富
長年の不動産売買経験と宅建士、賃貸不動産経営管理士の資格を持つ。豊富な知識と実績で、不動産売買に関するサポートを行う。