老後の住み替えどちらが良い?賃貸と持ち家徹底比較

老後は今の家に住み続けるか、それとも賃貸に住み替えるか、迷っている人もいることでしょう。老後は自宅で過ごす時間が多くなるため、住まい選びは人生の質に大きく影響します。

本記事では、老後の住み替えに関して、賃貸と持ち家のメリット・デメリットを徹底比較しています。さらに、高齢者が賃貸住宅を借りる際のポイントについても、詳しく解説しています。

老後の住み替えが気になっているという人は、ぜひ本記事をチェックしてみてください。

目次

老後に賃貸に住むメリットとデメリット

本章では、老後に賃貸に住むメリットとデメリットを紹介していきます。

メリット①便利な場所を選んで住める

若いときは車を自分で運転できるので、少しくらい不便な場所でも問題ありませんが、高齢になると日常的に運転するのは事故を起こさないか不安です。賃貸物件は都心部から郊外まで選択でき、車の運転が不要で交通の便がいい場所や、近くにスーパーがある物件なども選べます。

子どもが結婚して孫がいる人の中には、孫の世話をするために子ども世帯の近くへ引越すという人もいます。ライフスタイルに合わせて、住む場所を自分で選んで決められるのは、賃貸に住むメリットです。

メリット②月々の住居費が安定している

賃貸物件は、月々の住居費が安定しているというメリットがあります。家賃以外にも2年ごとの更新料や保険料の支払いは発生しますが、あらかじめ金額や支払う時期が分かっているため、事前に備えておくことができます。

賃貸の場合は、入居者自身の過失による修繕の場合を除き、建物や設備のメンテナンスは大家さんの役割です。対して持ち家の場合、エアコンの故障や給湯器のトラブルなどで、急に修理費用や買い替え費用が発生する可能性があり、出費の予測が付きません。

賃貸であれば月々の住居費が変動なく安定しているので、家計管理が楽になります。もしも収入が減ってしまった場合にも、賃貸に住んでいれば収入に合わせて家賃の安い部屋に住み替えることも可能です。

メリット③災害時などに負担が少なく済む

台風や地震・大雨の被害など、年々災害の頻度と規模が大きくなっているように感じ、家を所有することに不安を抱く人も増えてきているのではないでしょうか。賃貸契約においては、住宅が災害で損傷した場合、修理費用は基本的に大家さんの負担となり、入居者には責任がありません

また、賃貸住宅が損壊して居住できなくなった場合、賃貸契約を解除し別の住居を探して住み替えることが可能です。契約時に火災保険に加入していれば、家財の補償を受けられるため、被災時にも大きな負担を避けられます。

ただし、毎月の支出は同じ条件の持ち家と賃貸を比べると、ローンの返済より賃貸家賃のほうが若干高くなります

デメリット①住みやすくリフォームすることはできない

賃貸物件では、基本的に大家さんの承諾がないとリフォームを行うことはできません。賃貸物件は「原状回復」の義務があり、入居者は退去時に部屋を入居時の状態に戻す必要があります。

どうしてもリフォームしたい箇所がある場合は、大家さんに相談してみると条件付きで許可が下りる場合もあります。大家さんの許可なしでDIYやリフォームを行うと、退去時に原状回復費用を請求されますので注意しましょう

デメリット②ずっと家賃を払い続けないといけない

ずっと家賃を払い続けないといけないのも、賃貸のデメリットです。持ち家の場合は、ローンの支払いが終わればあとはメンテナンス費用を準備するだけで済みます。

ローンは定年までに払い終わる人がほとんどで、持ち家ならば老後は住居費の負担が減りますが、賃貸の場合は定年後も家賃の支払いが続きます。年金への不安もある中、一生家賃を払い続けるためには、老後の資金を十分に準備しておく必要があるでしょう。

デメリット③住環境に満足できないこともある

賃貸物件のデメリットとして、部屋が狭いことや隣の部屋の音や振動が伝わりやすい造りである点があります。とくに木造アパートは、騒音や振動に悩まされることが多いです。

ガーデニングや家庭菜園を楽しむ、ペットを飼うといったことも、賃貸物件では難しいでしょう。住環境に関して希望が多いほど、賃貸物件では満足できなくなります

老後に持ち家に住むメリットとデメリット

老後に持ち家に住むことには、多くのメリットとデメリットがあります。安定した住環境と経済的な安心感がある一方、維持管理や固定資産税の負担も考慮しなければなりません。

本章では、老後に持ち家に住むメリットとデメリットを詳しく掘り下げていきます。

メリット①住み慣れた場所で暮らせる

老後に持ち家に住むメリットのひとつは、「住み慣れた場所で暮らせる」という点です。長年同じ場所に住むことで、地域のコミュニティや近隣の人々とのつながりが深まります。

老後は仕事や子育てから離れるために、孤独感を感じる人も多いです。知り合いの多い住み慣れた場所で暮らすことは、老後の孤独感を軽減し、心身の安定感が得られるでしょう

住み慣れた場所では、スーパーや病院など日常的に通う場所も定まっていて、心身の健康を保てます。老後の生活を豊かにするために、持ち家で暮らすメリットは大きいと言えます。

メリット②ローンが終わっていれば費用の負担が少ない

老後を持ち家で暮らすメリットには「ローン完済後は費用の負担が少ない」という点があります。住宅ローンが完済できていれば、毎月の支払いが不要になり、家計に余裕が生まれます。

ローンの負担がなくなったことで、趣味や旅行にも費用が割り振れるようになるため、充実した生活が送れるでしょう。固定資産税や維持管理費はかかりますが、前もって準備しておけば計画的に管理できます。

さらに、持ち家は資産的な価値を持つため、売却して現金化することや、子どもたちに残してあげることもできます。自宅を所有しているという経済的な安心感は、老後の暮らしに大きなメリットがあるでしょう。

メリット③必要に応じてリフォームできる

老後に思うように身体が動かなくなったときは、リフォームで自宅をバリアフリー化すると住みやすくなります。具体的なリフォームの種類には、手すりの設置・スロープの設置・段差の解消などがあります。

健康上の理由でのリフォームだけでなく、趣味やライフスタイルの変化に合わせて、間取りを変えるリフォームができるのも持ち家のメリットです。子どもが独立した後の子ども部屋を趣味の部屋にリフォームしたり、ゲストルームを作って家族や友人との交流を楽しむのもよいでしょう。

住みやすさだけでなく、住環境を自分の好みにカスタマイズすることは、心の豊かさにもつながります

デメリット①税金や修繕費用などの負担がある

老後に持ち家で暮らすデメリットに、「税金や修繕費用などの負担がある」という点があります。持ち家を所有することは、安定した住環境が約束される一方で、さまざまな経済的な負担も伴います。

持ち家でかかる税金として、固定資産税があげられます。固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて毎年支払う必要があり、地域によってはかなりの額になることもあります。

修繕費用は、持ち家の維持管理のために必要な出費です。時間の経過とともに劣化していく家屋のメンテナンスや修理は、思っていたより高額になる場合もあります。

とくに高齢になるとDIYでメンテナンスを行うことが難しくなるため、業者に任せる部分も多くなり、その分費用がかさんでしまうこともあるでしょう。

デメリット②家や庭の管理が大変

高齢になると、家や庭の手入れを行うことも大変になってきます。家が広く部屋が多いと掃除をする場所も多くなりますし、使っていない部屋に不用品をため込んで物置のようになりがちです。

さらに、家の中だけでなく庭も、手入れを怠ると雑草が生えて景観が悪くなります。庭が汚いと、防犯意識が低いと見られて空き巣が入りやすくなる危険性もあります。

老後に家族の人数に見合わない広い家に住むと、手入れが行き届かずごみ屋敷になったり庭が荒れ放題になる可能性も考慮に入れておきましょう。

デメリット③交通の便が悪い

住宅ローンを組んで郊外や地方に持ち家を購入した人は、老後に交通の便の悪さで苦労することもあるでしょう。車がないと生活ができない地域では、高齢になって車の運転に不安が出てきたときに、公共交通機関が利用しにくく、移動が困難になる可能性があります。

日々の買い物や通院など、車を利用すればすぐの場所でも、バスや電車だと何倍も時間がかかってしまいます。運転への不安から外出が減少すると、地域のコミュニティとのつながりも薄くなり、さらに孤立してしまうでしょう。

また、交通の便が悪い場所に自宅があると、独立した子供たちが実家に帰って来なくなるという問題もあります。

老後に賃貸物件を借りるためには?

持ち家と賃貸を比較して、老後は賃貸物件に住み替えたいと思ったら、高齢者が賃貸物件を借りるためのポイントも知っておいたほうがよいでしょう。年齢が上がると、賃貸が借りにくくなるというのは実際にあることです。

理由としては、収入が少ないため審査に通らないことや、認知症などでトラブルを起こしたり孤独死への懸念から入居を断られるなどです。本章では、高齢者が賃貸物件を借りるためのポイントや、おすすめの物件について解説していきます。

家族に保証人を依頼する

高齢者が老後に賃貸物件を借りる際には、家族や親族に連帯保証人を依頼しましょう。できるだけ年収が高い現役世代の家族に連帯保証人になってもらうと、審査に通りやすくなります。

家族が連帯保証人になることで、大家さんが不安視する高齢者の家賃滞納問題もクリアになります。また、なるべく家族の住んでいる場所から近い物件を選ぶことも、高齢者が物件を借りるときのポイントです。

入居者が高齢だったとしても、家族が近くに住んでいて何かあったときにはすぐに駆けつけられるならば、大家さんも安心して貸し出せます。

高齢者向けの保証制度を利用する

老後に賃貸物件を借りたいけれど、保証人になってくれる家族や親族がいない場合は、保証制度を利用するとよいでしょう。一般社団法人「高齢者住宅財団」は、高齢者や障がい者のいる世帯などを対象に、連帯保証人の役割を担ってくれる団体です。

保証制度を利用すると、高齢者の家賃滞納リスクがほとんどなくなるため、大家さんは安心でき入居者も審査に通りやすくなります。制度の対象となっていない賃貸住宅でも、不動産会社や大家さんに相談すると新たに申請してもらえる場合もあります。

気になる物件があれば、保証制度が適用される物件かどうか、不動産会社に確認してみるとよいでしょう

十分な老後資金を準備しておく

大家さんが高齢者に賃貸物件を貸したくない理由には、家賃の滞納リスクがあります。少ない年金だけで暮らしている高齢者は、大きな事故や病気があった場合に、家賃を払う余裕がなくなってしまう可能性があるからです。

老後に賃貸を選択するならば、急な出費があっても家賃をきちんと払い続けられるように、十分な老後資金を準備する必要があります。一般的に、老後の生活費の目安は月の生活費の25~30倍と言われています。

具体的な金額はそれぞれの状況によっても異なりますが、老後資金を十分に確保しておくことは、安心して賃貸物件に住み続けるために必要不可欠な条件と言えるでしょう。

高齢者向け物件に入居する

高齢者向けの物件
  • 公営住宅
  • UR賃貸住宅
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • シニア向けマンション

上記のように、高齢者でも借りやすい物件や、高齢者に特化して運営されている物件もあるので、老後に賃貸物件に入居したいならば検討してみるとよいでしょう。公営住宅やUR賃貸住宅の中には、「高齢者向け優良賃貸住宅」も存在します。

「高齢者向け優良賃貸住宅」とは、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」により、家賃の補助が受けられる物件です。ただし、人気があってなかなか入居できないのが現状です。

サ高住やシニア向けマンションは、看護師の巡回や食事提供のサービスがあるなど、高齢者が安心して生活できる物件です。サービスの充実に比例して賃料は高くなり、人気の物件は空きが出るのを何年も待つこともあります。

まとめ ライフスタイルや将来像に合わせて、自分に合った住まいを選ぼう

本記事では、老後の住み替えを考えたときに、持ち家か賃貸どちらがいいのか、それぞれのメリットデメリットをあげつつ解説してきました。人によって、メリットと感じる部分がデメリットになることもあるでしょう。

後楽不動産では、賃貸物件から売買物件まで幅広く取り扱っており、住み替えに伴う売却にも対応しております。老後の住まいについてお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。お客様のライフステージに最適な選択をサポートいたします。

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