不動産売却に訪問査定を有効活用しよう!評価のポイントや不動産会社の見極め方

不動産を売却する際には、まず物件の「価格」を決めるところから始まります。価格設定は売却の成否を左右する重要なステップであり、その判断材料として欠かせないのが「訪問査定」です。
本記事では、訪問査定とは何かという基本から、査定で評価される具体的なポイント、不動産会社の選び方、そして依頼時の注意点までを丁寧に解説しています。これから売却を考えている方にとって、知っておくべき実践的な情報が詰まっています。
訪問査定によって提示される価格や物件の評価内容は、その後の売却活動に大きな影響を与えるものです。正しい知識を身につけ、納得のいく不動産売却につなげていきましょう。
この記事を監修した人

岩冨 良二
後楽不動産 売買事業部 係長
不動産業界歴26年のベテランで、宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の資格を持つエキスパート。豊富な知識と実績でお客様から厚い信頼を得ており、売買事業部のエースとして活躍中。複雑な取引もスムーズにサポートし、最適な提案を行う頼れるプロフェッショナルでありながら、社内のムードメーカーとしても周囲を明るくする存在。
訪問査定とは何か?

本章では、訪問査定の基本知識や簡易査定との違いを詳しく解説していきます。
訪問査定の基本知識
「訪問査定」とは、不動産会社の担当者が直接売却予定の物件を訪れ、建物の内外や立地、周辺環境などを細かくチェックして不動産の価値を評価する方法です。不動産を売却する前に、物件の正確な価値を把握するために行われます。
- 精度の高い査定結果が得られる
- 現地調査でデータでは分からない要素を評価できる
- 結果が出るまでには時間がかかる
訪問査定を受けることで、不動産の適正価格を客観的に把握できるため、売却価格が高すぎて売れ残ったり、逆に低すぎて損をするリスクを軽減できます。また、正確な査定が行われている物件は購入希望者からの信頼も得やすく、交渉がスムーズに進む可能性も高まります。
机上査定(簡易査定)との違い
不動産の訪問査定と机上査定(簡易査定)の違いは、以下の通りです。
比較項目 | 訪問査定 | 机上査定(簡易査定) |
---|---|---|
方法 | 担当者が物件を直接訪問して査定を行う | 過去の取引データや周辺の相場情報を基に机上で行う |
精度 | 高い(現地調査で具体的な状況を把握できるため) | 中程度(データを基にするため、細かい要因は反映されにくい) |
評価の対象 | 建物の状態、設備、日当たり、騒音などの物理的要素を考慮 | データ上の情報(住所、広さ、築年数、周辺相場など) |
周辺環境の考慮 | 実地調査により詳細に確認可能 | 一般的な情報に基づく |
時間 | 査定結果が出るまでに数日~1週間程度かかる | 短時間(数時間~1日)で結果がわかる |
費用 | 一般的に無料だが、詳細な調査が必要な場合は費用が発生することも | 通常無料 |
適用場面 | 正確な価格設定が必要な場合(売却計画や契約時など) | 概算価格を知りたい場合(売却の検討段階など) |
机上査定は過去の取引データや周辺物件の情報をもとに、現地を確認せず査定を行います。スピーディかつ手軽に不動産の概算価格を把握するのに向いています。
一方、訪問査定は担当者が直接現場を見て査定を行うため、手間がかかりますがその分精密性が高く、信頼できる査定結果が得られます。売却活動の状況に応じて、机上査定と訪問査定の両方を上手に活用することがおすすめです。
訪問査定の流れ

ここでは、訪問査定を実施するまでの流れを解説していきます。
- 不動産会社に査定依頼を行う
- 担当者が現地を訪問し、物件をチェック
- 周辺環境や市場動向も考慮して査定価格を提示
まずは不動産会社に連絡して査定依頼を行います。訪問査定の前に机上査定を行っている場合は、机上査定で納得できる価格提示をした会社や、印象が良かった会社を選んで依頼するとよいでしょう。
当日は現地調査に1~2時間程度を要します。必要な書類などはあらかじめ準備しておくとスムーズです。
調査の際に、物件に関することや売却で気になることは質問しておきましょう。査定担当者の質問に対する回答の正確性や真摯さで、大切な不動産を任せられる会社かを判断する基準にもなります。
また、売主から物件のアピールポイントや瑕疵について伝えておくのを忘れないようにしましょう。売買手続きが進んだあとで瑕疵が判明した場合、買い手から賠償を求められることもあります。
最終的に、周辺環境や市場動向も加味した上で査定価格が決められ、1週間以内を目安に依頼者に価格が提示されます。
訪問査定の評価ポイント

訪問査定で評価されるポイントについて、以下に詳しく解説していきます。
物件の状態
築年数やリフォームの有無、設備の状況などが査定に影響を与えます。
評価されるポイント
- 建物の築年数
建物の築年数築年数は査定価格を左右する大きな要因です。一般的に築年数が浅いほど価格が高くなる傾向があります。ただし、築年数が古くてもリフォームや修繕が適切に行われている場合、評価額は高まることもあります。 - 内装の状態
壁紙の汚れや剥がれ、床の傷、キッチンやバスルームなどの設備の状態が細かくチェックされます。 - 設備の充実度
物件に備え付けられている設備の性能や充実度も評価対象です。
例:エアコン、床暖房、食洗器、浴室乾燥など - 物件のメンテナンス状況
定期的な点検や修繕が行われているかどうかは重要な査定ポイントです。 - リフォームやリノベーション
設備やデザインが新しく、ハイグレードである場合は査定価格に良い影響を与えます。 - 劣化の程度
構造的な問題(例:外壁のひび割れ、屋根の漏水)がある場合、査定額が低くなる可能性があります。
上記の項目の他に、建物の第一印象も重要な要素になります。買い手に好印象を与えられるように、物件の状態を整えておかなくてはなりません。
訪問査定の前にも、物件内部の清掃や片付け、庭の手入れなどを行っておくとよいでしょう。
周辺環境
周辺環境は、買い手が建物の状態とともに必ずチェックする項目です。訪問査定でも、周辺環境の良し悪しは査定価格に大きな影響を与えます。
評価されるポイント
- 交通アクセス
最寄り駅やバス停までの距離や、主要エリアまでのアクセス時間は重要視されるポイントです。交通アクセスが良くても、交通量が多すぎたり道路に近すぎて騒音が発生している場合は評価が下がる場合もあります。 - 生活利便性
スーパーやコンビニなどの商業施設や、ショッピングモールや飲食店などが近くにあれば高評価です。子育て世代や高齢者にとっては、医療機関が近くに充実しているかどうかも気になる部分でしょう。 - 教育環境
小学校や中学校への距離だけでなく、学区の教育レベルも考慮される場合があります。学校以外に、塾や習い事の施設が充実しているかも、子育て世代にとっては購入の決め手となります。 - 自然環境
近くに公園があったり、自宅からの眺望が良いと査定の上でも高評価です。 - 治安
ファミリー層や女性にとっては、物件周辺の治安も気になる要素となります。歓楽街が近すぎる物件や、事件の発生率が高い地域は査定に影響してくるでしょう。
周辺環境は売主の努力ではどうしようもない部分もあります。しかしながら、買い手によっては売主側がマイナス要素だと思っていた周辺環境を、プラス要素に捉える人もいます。
様々な可能性を考慮した上で、訪問査定の価格は決定されます。
市場動向
売却予定の不動産市場において、需要と供給のバランスが査定価格に反映されます。供給量は物件情報ポータルサイトなどでも見ることができますが、不動産会社はインターネット上には掲載されていない情報も把握しています。
また、周辺地域の物件価格が上昇傾向にあるのかどうかや、金利の動向なども踏まえた上で査定額を決定します。
マンションの場合の評価ポイント
戸建て住宅と違い、マンションの場合は管理費や修繕積立金、マンション全体の管理状況なども査定のポイントに含まれます。適切な管理やメンテナンスがなされているか、管理人が常駐しているか、共用部分がきれいに保たれているかなどをチェックします。
訪問査定を受けるメリットとデメリットは?

訪問査定で得られるメリットは大きいものですが、時間や手間がかかってしまうというデメリットもあります。
訪問査定のメリット
訪問査定を受ける最大のメリットは、物件の状態や周辺環境を直接確認することで、精度の高い査定価格を提示してもらえる点です。机上査定では把握しきれない物件の強みを評価し、売却計画の基盤を作ることができます。
また、不動産会社から具体的な市場動向や売却戦略のアドバイスを得られるため、満足度の高い売却につながる可能性が高まります。訪問査定を受けることで、売却活動を効率的に進めていけるでしょう。
訪問査定のデメリット
訪問査定は、机上査定と比べて結果が出るまでにやや時間がかかり、通常は数日〜1週間ほどを要します。机上査定のように複数の不動産会社へ一括で依頼できるサービスもありますが、訪問査定では各社に個別で依頼し、スケジュールを調整する必要があります。そのため、手間や時間がかかる点がデメリットといえるでしょう。
また、担当者によって評価の観点に多少の違いが出ることもあるため、複数の査定結果を比較する際には、金額だけでなく説明の内容や根拠にも注目して判断することが大切です。
訪問査定を依頼する前に準備しておくことは?

本章では訪問査定を依頼する前にやっておいた方がよいことや、事前準備について解説します。訪問査定をスムーズに行えるように、目を通しておいてください。
事前に準備しておく書類
訪問査定の前に準備すべき書類には、身分証明書の他に、物件の登記事項証明書や図面、固定資産税の納税通知書、リフォーム履歴、管理規約(マンションの場合)などがあります。これらは物件の情報を正確に伝えるために必要な書類です。
書類は最新の情報が記載されているものを揃えておきましょう。紛失しているケースもあるので、早めに確認し必要なものは再発行をしておきます。
自宅の掃除や修繕
査定担当者への第一印象を良くするために、掃除や簡単な修繕を行っておくとよいでしょう。問題部分を取り繕う必要はありませんが、物件の状態を最も良いコンディションにしておくことは、評価額アップにつながります。
修繕した箇所については、どの部分をどの程度行ったのかを担当者に伝えられるように、修繕前の写真などがあれば見せながら説明すると査定がスムーズに進みます。
訪問査定を依頼する上での注意点

本章では、訪問査定を依頼する際の注意点について詳しく述べていきます。依頼前にこれらの注意点を確認しておき、スムーズに査定が行えるように準備しておきましょう。
相場はあらかじめ調べておく
訪問査定を依頼する前には、インターネットの不動産情報サイトや物件情報のチラシなどで、物件周辺の相場をあらかじめ把握しておきましょう。事前に相場を調べておくことで、訪問査定で提示された査定金額が適正価格かどうか、自分で判断する際の目安になります。
査定担当者に自分の希望を伝える
希望売却価格や条件については、査定担当者に共有しておきましょう。価格は低くても早く売ってしまいたいのか、期間が長くなっても満足できる価格で売りたいのかは、売主の事情により異なります。
自分の希望をしっかり伝えておくことで、より現実的な査定価格を提示してもらえます。
査定価格の根拠を確認する
査定額が提示された際には、「なぜこの金額になったのか」をしっかりと確認しておきましょう。査定額がどのような情報をもとに算出されたのかを確認することで、査定額が適正であるかどうかを判断できます。
担当者によっては、査定価格の算出に関する説明が十分でない場合もあります。提示された金額に対して根拠を尋ねた際、具体的な算出方法をしっかり説明できない場合は、その不動産会社に売却を依頼するかどうかを慎重に検討するとよいでしょう。
売却活動の内容を確認
訪問査定の価格に納得できれば、その不動産会社と媒介契約を結んで売却活動を依頼することになります。そこで、訪問査定の時点で今後の売却活動についてのビジョンを聞いておくことで、その不動産会社の物件に対する向き合い方が見えてくるはずです。
どのような方法で売却活動を行っていくのかは、不動産会社によって異なります。事前に売却活動の内容についてよく確認し、信頼できるパートナーとなり得るのか見極めていきましょう。
不動産会社には得意ジャンルがある
不動産会社には得意ジャンルがあり、物件タイプや地域特性など応じて選ぶことが売却成功のカギになります。例えば、戸建てやマンション、収益物件などそれぞれに専門性がある会社や、地域密着型の会社、買取サービスを得意とする会社といった特徴があります。
また、広告戦略や販売手法にも違いがあるため、売却する物件に適した会社を選びましょう。
買取には対応しているのか
不動産会社によっては、売却活動を行っても物件が売れなかった場合や、売主の希望に応じて「買取」に対応しているところもあります。買取は不動産会社と直接契約を結ぶ形となるため、仲介手数料はかかりません。
一般的に、買取価格は仲介での売却価格よりも低くなる傾向がありますが、その差は物件の状態や市場の状況によって異なります。早期に現金化したい場合や、長期間売却が難航している場合などに検討されることが多いです。訪問査定の段階で、買取に対応しているかどうかもあわせて確認しておくと安心です。
売却に強い不動産会社の見極め方は?

訪問査定で不動産会社から価格が提示されれば、その後の売却活動を依頼するかどうかも決定しなくてはなりません。数ある不動産会社の中から、売却に強く満足のいく売却ができる不動産会社を見つけるためには、どのようなポイントに注目すべきでしょうか。
以下の3点が売却に強い不動産会社を見極める際に確認してほしい事項になります。
- 過去の実績
- 地域での評判
- 提案の質や対応の丁寧さ
過去の実績は、不動産会社の公式サイトに掲載されている取引事例などから確認できるほか、気になる点があれば直接担当者に尋ねてみるのもよいでしょう。地域での評判については、口コミサイトやレビュー、さらには友人・知人、ご近所の方などから情報を集める方法もあります。
また、提案内容や対応の丁寧さは、実際に訪問査定に来た担当者の言動からも判断できます。提示された査定価格に根拠があったか、今後の売却活動について具体的な提案があったか、マナーや接客態度に違和感がなかったかなど、細かな点にも注目してみてください。
売却に強い不動産会社を選ぶには、「実績」と「信頼性」を軸に、これらのポイントを総合的にチェックすることが大切です。
まとめ
訪問査定は、実際の物件の状態や周辺環境を反映した、より精度の高い査定結果が得られる点が大きなメリットです。一方で、時間や手間がかかる部分もあるため、机上査定と訪問査定をうまく使い分けながら、自分に合った進め方を選ぶことが大切です。
また、不動産会社の実績や提案力、対応の丁寧さなども、売却の成功を左右する重要なポイントです。担当者とのやりとりの中で信頼できるかどうかをしっかり見極めましょう。
なお、「まずはおおよその査定額だけ知りたい」という方には、LINE査定もおすすめです。スマホから気軽に依頼できるので、訪問の前段階として活用するのも良い選択です。LINE上でそのまま相談もできるため、忙しい方でもスムーズにやりとりが進められます。
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不動産売却は大きな決断だからこそ、正しい情報と信頼できるパートナー選びが重要です。本記事の内容を参考に、ご自身にとって納得のいく売却が実現できるよう、しっかりと準備を進めていきましょう。