オーバーローンでも大丈夫!?住宅ローンが残った家を売却する際の確認事項と注意点

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住宅ローンが残っている家を売るときには、どのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?

多くの方がこの問題について悩んでいることでしょう。しかし、ご安心ください。住宅ローンが残っている場合でも、家を売ることは可能です。ただし、手続きにはやや手間がかかることを覚えておいてください。特に、住宅ローンの残債が売却価格を上回る場合オーバーローンと呼ばれる状況になります。

この記事では、住宅ローンが残っている家を売るために確認すべきことや注意事項を解説していきます。マイホームを満足いく結果で売却するために、必要な知識を手に入れましょう。

目次

住宅ローンが残存している家を売却する際の確認事項


住宅ローンが残存している家を売却する際の確認事項についてまとめてみましょう。

住宅ローンが未完済の家を売却することは可能ですが、それにはローンの残高を完全に返済する必要があります。この理由は、金融機関が「抵当権」と呼ばれる権利を持っているからです。住宅ローンを完済し、抵当権を抹消することが売却の条件となります。

ただし、売却価格が住宅ローン残高を下回る、つまり「オーバーローン」状態の場合もあります。そのため、売却を考える前に、現在の家がいくらで売れるのかを査定して確認することが重要です。

以下に、住宅ローンが残っている場合に確認すべき二つのポイントを解説します。

住宅ローンの残高を確認する

まずは、住宅ローンの残高を確認しましょう。残高は償還表を見ることで確認できます。償還表がない場合は、金融機関に再発行を依頼してください。

売却価格を確認する

次に、売却可能な価格を確認する必要があります。このためには、不動産会社に査定を依頼します。査定は複数の会社に依頼することを推奨します。

住宅ローンの残高と売却価格を確認することで、オーバーローン状態になるか否かが判断できます。オーバーローンの場合、差額を自己資金で用意する必要があります。例えば、住宅ローン残高が3,000万円で売却価格が2,500万円の場合、500万円を自身で用意することで売却が可能となります。

売却が決まった後、残債と売却価格の差額によっては、売却から得られる利益がなくなるだけでなく、追加で資金を用意する必要がある場合もあります。そのため、事前に適切な計画を立てることが大切です。

アンダーローン、つまり売却価格が住宅ローン残高を上回る状態であれば、売却後に得られる利益は自由に使うことができます。ただし、オーバーローンの場合は、自分で差額を用意しなければならないため、その資金調達についても考えておく必要があります。

また、自宅の売却に際しては、税金の問題も無視できません。たとえば、売却益が出た場合、その一部は所得税や住民税として課税されます。これらの税金は売却後の翌年に支払う必要がありますので、売却益から必要な税金を差し引いた金額が、実際に手元に残る金額となります。

住宅ローンが残っている状態での家の売却は、いくつかの要素を考慮する必要があります。そのため、専門的な知識を持った不動産会社や金融機関のアドバイスを活用し、適切な決定を下すことが重要です。

オーバーローン状態でも家を売却する方法

オーバーローン状態でも家を売却する方法について整理してみましょう。

オーバーローンであっても、自身で残債を全額用意できない状況でも、家を売却することは可能です。オーバーローン状態が確定している方や、返済が難しいけど家を売却したい方は、以下の方法を参考にしてみてください。

オーバーローンの状態で家を売却するには、主に以下の2つの方法があります。

住み替えローンを使う

住み替えローンは、未返済のローン残高と新たに購入する家の代金を合わせた金額を借りることができるローンです。例えば、家を売却しても返済しきれないローン残債が300万円あり、次に購入する物件が3,000万円だった場合、住み替えローンでは3,300万円を借りることができます。この方式で未返済のローン残債300万円を返済することが可能になります。

ただし、住み替えローンを利用するためには、新たに物件を購入する計画が必要です。次に物件を購入する予定がなく、現在の家を売却するだけの場合は、住み替えローンを利用することはできません。

任意売却を行う

二つ目の方法は、住宅ローンを組んでいる金融機関に相談し、任意売却を行うという手段です。

住宅ローンが残っている家には抵当権が付与されています。そのため、通常の手段での売却は困難です。しかし、金融機関に依頼して売却することで、住宅ローンを完済できない状況でも抵当権を外すことが可能になります。この手法を「任意売却」と呼びます。

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、抵当権が設定された住宅を法的手続き(競売)を経ることなく売却し、その売却金で残債を解消する方法を指します。

基本的には、借入先の金融機関や任意売却に対応している不動産会社に相談することが推奨されます。この際、自身の状況を詳しく伝え、最適な解決策を導き出すための助言を求めることが重要です。

オーバーローン状態の家を売却する際の注意点

オーバーローンの家を売却する際には、特に注意を払うべきポイントがいくつかあります。

以下でそれらを詳しく解説します。

悪質な不動産会社に注意する

高い査定価格に魅了されてしまい、その結果、悪質な不動産会社と契約を結んでしまうことは大変危険です。オーバーローンの家を売る場合、可能な限り高く売ることが目指すべきですが、それでも家には適正な価格というものが存在します。

一部の不動産会社は、高い査定価格を提示し、家を売るか迷っている人を誘導し契約を結ばせ、その後、家が売れないという理由で価格を下げ、最終的に仲介手数料を得ることを目的としています。このような不動産会社と契約しないためにも、複数の不動産会社の査定価格、担当者の対応、売却実績、査定価格の根拠、売却活動の戦略などを比較検討することが重要です。

不動産会社への買取依頼に慎重になる

家を売る選択肢としては、不動産買取も考えられます。不動産買取とは、不動産会社が直接家を買い取る方法で、スムーズな売却とすぐに売却益を得ることがメリットです。しかし、通常の売却よりも売却価格が下がる可能性があるため、特別な事情がなければ、通常の不動産会社との仲介契約を結んでから売却活動を行うことがおすすめです。

競売にならないよう注意する

住宅ローン返済が困難で家を売ることを考えている場合、住宅ローンの滞納を続けていると、家が競売にかけられる可能性があります。競売とは、裁判所が家を差し押さえ、その後、強制的に売却することです。この結果、引っ越し費用などを確保することが難しくなり、その後の生活に大きな負担を強いることになります。

そのため、住宅ローン返済に困難を感じている場合は、早めに行動を取ることが重要です。任意売却を検討するなどして、最悪の事態を防ぐことを強くお勧めします。これにより、適切な価格での売却が可能となり、競売による強制売却を避けることができます。

まとめ

本記事では、住宅ローンが残っている家を売るために確認すべきことや注意事項について解説しました。オーバーローンになりそうだからと言って、必ずしも家を売ることが不可能な訳でもありませんので、家を売りたい方は本記事の内容を頭に入れて慎重に売却活動を進めましょう。

しかし、特殊な状況下での家の売却は専門的な知識や経験が必要となる場合があります。そのため、自身で全てを把握し対処するのは困難かもしれません。そういった場合は、不動産の専門家に相談することを強く推奨します。プロのアドバイスは、困難な状況でも最善の解決策を見つける手助けとなるでしょう。

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