不動産売却が上手くいかない時の対処法

2024年1月28日2024年2月15日

「不動産を売却しようとしても、なかなか思うように売れない…」

そんな悩みを抱える方は少なくありません。価格設定の難しさや市場の動向、不動産会社の取り組みといった要因が複雑に絡み合い、売却プロセスは予想以上に難航することも。

しかし、安心してください。この記事では、適正価格の設定、効果的な広告戦略、魅力的な物件のプレゼンテーション、そして売却タイミングの見極め方に至るまで、売却成功のための重要なポイントを解説していきます。

不動産が売れない原因

不動産売却が思うように進まない場合、特に以下の2つのシナリオが一般的です。

内覧予約が入らない・少ない

この場合、最も考えられるのは価格の問題です。相場と比較して明らかに高い価格設定は、購入希望者を遠ざける大きな要因になります。特に不動産市場は情報が豊富で透明であり、購入希望者は多くの選択肢から比較して決定を下します。

また、広告の魅力不足も大きな要因です。物件の特徴や魅力が十分に伝わらない広告は、購入希望者の関心を引きつけることができません。写真の質、物件説明の詳細度、広告の露出量などが影響します。

さらに、不動産会社の活動不足も一因となる可能性があります。不動産会社が十分に積極的な販売活動を行っていない場合、物件の露出が不十分で購入希望者の目に留まらないことがあります。

内覧はあるが購入に至らない

こちらのケースでは、物件の実物と広告のギャップが考えられます。広告が実際の物件よりも良く見せていた場合、実物を見た購入希望者が失望してしまう可能性があります。

また、内覧時の対応も重要です。売主や不動産会社の担当者の対応が不適切だと、購入希望者の購買意欲を削ぐ原因になります。接客態度、対応の迅速性、誠実さなどが影響します。

不動産が売れない際の対策

不動産売却において「売れない」という問題に直面した際の対策は、次の5つの方法で深掘りして検討することが効果的です。

適正価格になっているか相場を確認する

不動産売却時に適正な価格設定を行うためには、市場の現状を正確に把握することが不可欠です。このため、土地総合情報システムやレインズマーケット・インフォメーションのようなオンラインツールの活用が推奨されます。これらのツールでは、地域や物件タイプに応じた詳細な相場情報が提供され、自分の物件が市場価格とどのように異なるかを客観的に分析することができます。例えば、同一地域内の類似物件の売却価格や、過去の成約事例などから、自己所有の不動産の市場価値を推定することが可能です。

こうしたデータに基づき、物件の価格を見直すことが重要です。市場の動向や需要の変化に合わせて、自己の物件の価格を再設定することで、購入希望者の関心を引きやすくなり、売却の可能性が高まります。価格が適正であれば、購入希望者は物件に価値を感じ、内覧や購入の意思決定に進みやすくなります。

このプロセスにおいて、自己の物件が他とどう差別化されているか、またその特徴がどのように価格に影響を与えるかを理解することも重要です。例えば、特定のリノベーションを施したり、立地の利便性が高いなどの要素が価格にプラスの影響を与える可能性があります。逆に、物件の老朽化や周辺環境の問題などが価格を抑制する要因になる場合もあります。

このようにして、適正価格を慎重に設定することは、不動産売却における成功の鍵となります。適正価格であれば、売却プロセスが円滑に進み、最終的には売却成功につながる可能性が高まります。

広告内容や不動産会社の活動状況を見直す

不動産の売却において、広告内容と不動産会社の活動状況は売却成功のカギを握っています。まず、広告の質に注目しましょう。物件の魅力を最大限に引き出すためには、高品質な写真と詳細で魅力的な物件説明が不可欠です。魅力的な写真は、物件の特徴を際立たせ、購入希望者の関心を引きます。また、物件の詳細な説明により、購入希望者が物件に対する具体的なイメージを持ちやすくなります。

次に、広告の露出をチェックします。物件が十分に露出されているかどうかは、オンライン上のリスティングや印刷媒体における掲載状況を通して確認できます。十分な露出があれば、より多くの潜在的購入希望者にリーチすることが可能になります。

不動産会社の取り組みも重要な要素です。不動産会社が物件を積極的に売却するための努力をしているかどうかは、その売却戦略や宣伝活動を通じて見ることができます。不動産会社が十分な取り組みをしていないと感じた場合、積極的にコミュニケーションをとり、追加の販売戦略を提案したり、より効果的なアプローチについてアドバイスを求めたりすることが有効です。

これらの要素を総合的に見直し、必要に応じて改善策を講じることで、物件の売却成功率を高めることができます。高品質な広告内容と積極的な不動産会社の取り組みが組み合わさることで、売却の可能性は大きく向上します。

内覧時の印象を向上させる

不動産売却において内覧の印象は非常に重要です。特に水回りの状態は、物件全体の印象を大きく左右する要素の一つです。水回りは日常生活の中で最も使用頻度が高い場所であり、その清潔さが物件全体の品質を反映すると考えられます。そのため、内覧前には浴室、キッチン、トイレなどの水回りを徹底的に清掃することが重要です。これにより、物件がよく手入れされているという印象を購入希望者に与えることができます。清潔感は、購入希望者の購入意欲を高める重要な要素となります。

さらに、内覧時の接客態度も非常に重要です。売主や不動産会社の担当者の対応が購入希望者の印象に大きく影響します。質問に対して正確で誠実な回答を提供し、親切で丁寧な態度を心掛けることは、購入希望者の信頼を得るために不可欠です。また、購入希望者が物件をゆっくりと見ることができるような環境を整えることも重要です。例えば、静かで落ち着いた雰囲気を作り出し、購入希望者が物件についてじっくりと考える時間を提供することが効果的です。

これらの点を意識することにより、内覧時の印象を向上させ、最終的な購入決定に肯定的な影響を与えることができます。清潔感のある水回りと親切な接客は、物件の魅力を最大限に引き出すために不可欠な要素です。

売り出し時期や売却スケジュールを見直す

不動産売却において、売り出し時期や売却スケジュールの見直しは、成功の鍵を握る要素の一つです。不動産市場では、特定の時期に需要が高まる傾向があります。例えば、新学期の始まりに合わせた春先や、年度末の転勤シーズンなどが、不動産の購入需要が特に高まる時期です。これらの時期に売り出すことで、より多くの潜在的な購入者に物件を露出することが可能になります。

市場の動向に合わせた売り出しは、物件の売却成功率を高めるだけでなく、理想的な価格での売却につながる可能性があります。そのため、現在の売却スケジュールを見直し、市場の動向や季節的な要因を考慮に入れた新しい計画を立てることが重要です。例えば、夏季や年末年始などの閑散期に売り出しを予定していた場合、需要が高まる時期に合わせて売り出し時期を変更することが賢明な戦略となるでしょう。

また、売り出し時期だけでなく、売却活動全体のスケジュールも見直すことが重要です。これには、物件の価格設定から広告戦略、内覧の準備、最終的な契約に至るまでの全プロセスを含みます。市場のニーズに応じて柔軟に対応することで、売却活動をより効果的に進めることができます。

結局のところ、不動産売却の成功は、適切な時期の選定と効率的なスケジュールの再計画によって大きく左右されます。売り出し時期や売却スケジュールの見直しは、物件を市場価値に見合った価格で、効果的かつ迅速に売却するための戦略的なアプローチと言えるでしょう。

不動産会社の見直しを検討する

不動産売却の過程で、現在の不動産会社との相性やその専門性を見直すことは非常に重要です。適切な不動産会社の選択は、売却活動の成否に大きく影響を及ぼすからです。特に、現在の不動産会社が物件のタイプや地域に関する深い知識や経験を持っているかどうかは、売却プロセスにおいて重要な要素です。もし不動産会社の専門性が物件の特性や売却の目的に合致していない場合、より適した専門知識を持つ他の不動産会社に切り替えることを検討する価値があります。

このような状況で有効なのが、一括査定サービスの利用です。一括査定サービスを利用すると、複数の不動産会社から物件の査定を受け、それぞれのサービス内容やアプローチ方法を比較することができます。このプロセスを通じて、物件の特性や売却のニーズに最も適した不動産会社を見つけることが可能になります。異なる会社からの提案や見積もりを比較することで、より効果的な売却戦略を立てることができるのです。

例えば、ある不動産会社は特定の地域に強いネットワークを持っているかもしれませんし、別の会社はリノベーション物件の売却に特化しているかもしれません。このように、各不動産会社の強みや特性を理解し、物件の特性や売却の目的に合わせて最適な会社を選ぶことが、売却成功の鍵となります。

したがって、不動産売却に際しては、現在の不動産会社の見直しを検討し、必要に応じて一括査定サービスを活用することが、効果的な売却戦略の一環となるでしょう。これにより、物件の特性に合った専門的な知識を持つ不動産会社を選び、売却活動を成功に導くことが可能です。

対処をしても不動産が売れない場合にすべきこと

不動産売却において、様々な対処法を試しても売却が進まない場合、以下の3つの戦略を検討することが有効です。

最低限のリフォームを行う

不動産売却において、物件が売れ残る一因として物理的な状態の不十分さが挙げられます。特に年数を重ねた物件や、メンテナンスが行き届いていない場合、これが購入希望者の心象を大きく左右することになります。こうした問題を解消するため、最低限のリフォームを行うことが効果的です。特に水回り（キッチン、バスルーム、トイレ）の修繕や壁紙の張り替え、床の修理などは、物件の印象を一新し、購買意欲を喚起するのに役立ちます。

しかし、リフォームには注意が必要です。購入希望者によっては、自分の好みに合わせてリノベーションを行いたいと考えるため、未改装の物件を好むこともあります。逆に、手間をかけずにすぐに住めるリフォーム済みの物件を求める層もいます。このため、リフォームを行う際には、不動産会社との綿密な相談を通じて、市場のニーズを見極めることが重要になります。リフォームは物件の価値を高めることは確かですが、戦略的に行わなければ売却の助けにならないこともあります。それゆえ、リフォームの決定にあたっては、不動産市場の動向と購入希望者の嗜好を考慮に入れることが肝要です。

築年数が古い戸建ての場合は更地にしてから売る

築年数が古い戸建て物件の場合、建物そのものより土地の価値が高いことが一般的です。このような状況では、建物を解体し更地にすることが、物件の魅力を大きく高める戦略となり得ます。更地にすることで、購入希望者は新しい建物を建築する選択肢を持ち、土地の価値を最大限に活かすことができます。このようにして、土地のポテンシャルを明確にし、幅広いニーズに対応することが可能となります。

特に、築年数が古い戸建て物件の場合、建物自体は価値が低く、購入希望者にとっては新居建設の障壁となることがしばしばです。更地にしてからの売却は、購入者が解体の手間や費用をかけることなく、すぐに新しい住まいを建設できるため、需要が高まります。その結果、より迅速な売却や高価格での取引が期待できるのです。

ただし、更地にすることで翌年の固定資産税が通常の4倍から6倍程度に跳ね上がる点には注意が必要です。そのため、解体する最適なタイミングを見極めるためには、不動産会社との十分な相談が重要となります。解体の時期を適切に選ぶことで、税負担を最小限に抑えながら、物件の市場価値を最大化することができるでしょう。

不動産買取を依頼する

売却が難航し、通常の対策が功を奏さない場合、不動産買取の選択肢を検討することが賢明です。不動産買取は、従来の仲介手法とは異なり、直接不動産会社が物件を買い取る手段です。この方法の大きな利点は、仲介手数料が発生せず、売却プロセスが迅速に進む点にあります。特に、売却における不確実性を回避し、短期間での売却を実現できるため、売主にとっては有益な選択となることが多いです。

しかしながら、不動産買取には一定の注意点が存在します。一般的に、買取による売却額は市場価格の約7割程度となることが多く、通常の仲介による売却と比較して価格が低く設定される傾向にあります。これは、不動産会社が再販売におけるリスクや利益を考慮して価格を決定するためです。従って、売却が長期化する恐れがある場合や、すぐに現金化を望む場合には、買取が適切な選択肢となりますが、売却価格の側面は慎重に検討する必要があります。

不動産買取を検討する際は、複数の不動産会社から見積もりを取得し、最も適切な条件を提示する会社を選ぶことが推奨されます。また、各社の買取条件や取り組み方法を比較検討し、自身のニーズに最も合った会社を選定することが重要です。