不動産売却のトラブル事例と対策は?後悔しないための注意点を解説

不動産の売却は動く金額が大きく、人生でそう何度も経験することではないため、少しのミスが大きな後悔につながりかねません。「売却後に欠陥が見つかって賠償金を請求された」「仲介会社と連絡がつかなくなった」といった話を聞くと、不安を感じてしまうのは当然のことです。
しかし、不動産売却におけるトラブルの多くは典型的なパターンがあり、事前に正しい知識と対策を持っておくことで回避することが可能です。大切なのは、「どんなトラブルが起きる可能性があるか」を知り、「どのタイミングで何をチェックすべきか」を理解しておくことです。
この記事では、不動産売却で発生しやすいトラブルを「契約前」「契約中」「引き渡し後」の3つのフェーズに分けて具体的に解説します。読み終わる頃には、売却の流れの中で注意すべきポイントが明確になり、安心して次のステップへ進めるようになるでしょう。
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不動産売却でトラブルはなぜ起きるのか?

不動産売却におけるトラブルの根本的な原因を知ることで、対策の要点がつかみやすくなります。多くの事例に共通しているのは、売主と買主、あるいは不動産会社との間での「認識のズレ」や「情報の不透明さ」です。
契約や物件状況の認識ズレが主原因
不動産取引でトラブルが多発する最大の理由は、売主と買主の間で物件の状態や契約条件に関する認識が一致していないことにあります。売主にとっては長年住み慣れた家であり「多少の不具合は当たり前」と感じていても、買主にとっては「高額な買い物なのだから完璧であってほしい」という期待があります。
たとえば、エアコンの調子が悪いことを「古いから仕方ない」と伝えず売却した場合、買主は「壊れている設備を隠して売られた」と感じるでしょう。このような認識のギャップが、後々のクレームや損害賠償請求へと発展します。
また、専門知識を持つ不動産会社と、知識の少ない一般個人との間でも情報の非対称性がトラブルを生みます。担当者の説明不足や売主の確認不足が重なると、言った言わないの水掛け論になりがちです。すべてを書面で残し、曖昧な点をなくすことがトラブル防止の第一歩といえます。
契約前に起きやすいトラブルと回避策は?

売却活動をスタートさせる契約前の段階でも、いくつかの落とし穴が存在します。ここでは、不動産会社選びや資金計画に関わるトラブルについて解説します。
| トラブルの種類 | よくある原因 | 主な対策 |
| 査定額との乖離 | 高すぎる査定額を鵜呑みにする | 複数社の査定を比較し根拠を聞く |
| 囲い込み | 両手仲介を狙う業者の隠蔽工作 | レインズへの登録証明書を確認する |
| 仲介手数料の相違 | 支払い時期や金額の確認不足 | 媒介契約書で金額と時期を明記する |
査定額と実際の売却価格の乖離
不動産会社から提示された査定額は、あくまで「これくらいで売れるだろう」という予測価格であり、買取保証額ではありません。トラブルになりやすいのは、相場よりも明らかに高い査定額を提示して契約を取ろうとする会社を選んでしまうケースです。
高い査定額を信じて売り出したものの、実際には買い手がつかず、最終的に大幅な値下げを余儀なくされることがあります。結果として、当初想定していた資金計画が崩れ、住み替え先の購入に影響が出ることも珍しくありません。
このリスクを避けるためには、必ず複数の不動産会社に査定を依頼し、価格の根拠を詳しく聞くことが重要です。「なぜこの価格なのか」を論理的に説明できる会社を選び、近隣の成約事例などのデータに基づいた現実的な価格設定を行うようにしましょう。
【関連記事】不動産売却の査定で損しない!流れや費用、高く売るためのポイントを解説-【岡山県】不動産売却・査定・買取|後楽不動産の安心サポート
囲い込みによる販売機会の損失
「囲い込み」とは、不動産会社が売主と買主の両方から仲介手数料を得るために、他社からの購入申し込みを意図的に断る行為のことです。これにより、売主は本来もっと早く、高く売れたかもしれない機会を逃すことになります。
囲い込みが行われているかどうかは外部から判断しにくいですが、対策はあります。専任媒介契約または専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社は物件情報を指定流通機構(レインズ)に登録する義務があります。この登録証明書を必ず受け取り、自分の物件が正しく登録され、販売図面が公開されているかを確認してください。
また、定期的な業務報告の中で、問い合わせ件数や案内数だけでなく、他社からの問い合わせ状況についても具体的に質問することで、牽制効果が期待できます。不信感がある場合は、一般媒介契約への切り替えも検討しましょう。
参考:国土交通省「宅地や建物の(専属)専任媒介契約を締結したらレインズの「ステータス管理機能」を活用しましょう!
【関連記事】専属専任媒介契約とは?仕組み・メリット・デメリットを解説|専任・一般媒介との違いも紹介-【岡山県】不動産売却・査定・買取|後楽不動産の安心サポート
仲介手数料に関する認識の不一致
仲介手数料は不動産売却にかかる費用の中で最も大きな割合を占めますが、その金額や支払いタイミングについてトラブルになることがあります。「売れなかった場合でも支払う必要があるのか」「いつ支払うのか」といった点が曖昧なまま進めると危険です。
基本的に、仲介手数料は「成功報酬」です。売買契約が成立して初めて発生するため、売れなかった場合に支払う必要はありません。支払いのタイミングは、一般的に「売買契約時」に半金、「引き渡し時」に残りの半金を支払うのが通例です。
媒介契約を結ぶ際には、約款をよく読み、報酬額の上限や支払い時期が明記されているかを確認してください。口頭での約束は避け、不明点は必ず契約前に解消しておくことが、金銭トラブルを防ぐ基本です。
参考:建設産業・不動産業:<消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ-国土交通省
【関連記事】不動産売却の仲介手数料を抑えたい!直売のメリットとデメリットを解説-【岡山県】不動産売却・査定・買取|後楽不動産の安心サポート
契約中・決済前に起きやすいトラブルと回避策は?

買主が見つかり、売買契約を締結してから物件を引き渡すまでの期間も気が抜けません。この期間には、契約解除やスケジュールに関するトラブルが発生しやすくなります。
買主の住宅ローン審査落ちによる解約
売買契約を結んだ後、買主が住宅ローンの本審査に通らず、契約が白紙になることがあります。これを「ローン特約による解除」と呼びます。売主にとっては、売却が決まったと思っていたのに振り出しに戻るため、精神的・時間的なダメージが大きいトラブルです。
ローン特約による解除は、買主の責任ではないため、手付金は無利息で買主に返還されます。このリスクを最小限にするためには、契約前に買主の事前審査(仮審査)の承認状況を確認することが不可欠です。
不動産会社の担当者を通じて、買主がどこの金融機関で、どの程度の確度で事前審査に通っているかを確認してもらいましょう。また、ローン特約の有効期限を契約書で明確に設定し、いつまでも契約が宙ぶらりんの状態にならないよう期間を区切ることも重要です。
手付解除の期限と違約金の発生
不動産売買契約では、契約時に買主から売主へ「手付金」が支払われます。契約後、当事者のどちらか一方が自己都合で契約を辞めたい場合、相手方が履行に着手するまでは、手付金を放棄(買主)または倍返し(売主)することで契約を解除できます。
トラブルになりやすいのは、「いつまでなら手付解除ができるのか」という期限と、「それを過ぎた場合の違約金」の扱いです。手付解除の期限を過ぎてから契約を破棄しようとすると、手付金の放棄だけでは済まず、売買代金の10〜20%程度の違約金を請求される可能性があります。
契約書には「手付解除ができる期日」と「違約金が発生する条件」が必ず記載されています。安易な気持ちで契約せず、万が一解約が必要になった場合は、必ず期日前に申し出るようにしましょう。期日管理は売主自身の責任でもあります。
【関連記事】不動産売却は途中でキャンセルできる?違約金の有無とタイミング別の注意点を解説-【岡山県】不動産売却・査定・買取|後楽不動産の安心サポート
引っ越し遅延による引き渡し不能
売却する物件に住みながら販売活動を行っている場合、売買契約から引き渡しまでの間に引っ越しを完了させる必要があります。しかし、新居の完成が遅れたり、引っ越し業者の手配ができなかったりして、約束の引き渡し日までに退去できないというトラブルが発生します。
引き渡しが遅れると、買主に対して債務不履行となり、遅延損害金を請求される恐れがあります。最悪の場合、契約解除と違約金の支払いを求められることもあります。
このような事態を避けるために、引き渡し日には十分な余裕を持たせることが大切です。また、どうしても間に合わない可能性がある場合は、「引き渡し猶予」の特約を設けるか、早めに買主に相談して覚書を交わすなどの対応が必要です。ギリギリのスケジュールは事故のもとですので、バッファを持った計画を立ててください。
引き渡し後に起きやすいトラブルと回避策は?

売却手続きがすべて完了し、安心したのも束の間、引き渡し後に買主からクレームが入るケースがあります。これらは「契約不適合責任」に関わる問題が多く、金銭的な負担も大きくなりがちです。
| トラブルの内容 | 具体的な現象 | 発生しうる責任 |
| 物理的瑕疵 | 雨漏り、シロアリ被害、腐食 | 補修請求、損害賠償 |
| 設備不良 | 給湯器故障、エアコン不調 | 補修費用の負担 |
| 地中埋設物 | コンクリート片、古井戸 | 撤去費用の負担 |
雨漏りやシロアリなど物理的瑕疵の発覚
引き渡し後に最も深刻なトラブルとなるのが、雨漏りやシロアリ被害、建物の腐食などの「物理的瑕疵(かし)」です。これらは生活に直結する重大な欠陥であり、契約内容と適合していないとして、買主から「契約不適合責任」を問われる可能性が高い項目です。
2020年の民法改正により、売主の責任は「隠れた瑕疵」だけでなく、「契約の内容と適合しているか」が重視されるようになりました。つまり、契約書や告知書に記載されていない不具合が見つかった場合、売主は補修(追完請求)や代金減額、損害賠償に応じる義務が生じます。
これを防ぐ唯一の方法は、知っている不具合をすべて隠さずに伝えることです。「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。過去に雨漏りの修繕歴がある場合なども、必ず告知書に記載し、買主に了承を得た上で契約することが、自分の身を守ることにつながります。
【関連記事】瑕疵物件の売却は難しい?知っておきたい売却のコツや方法を解説-【岡山県】不動産売却・査定・買取|後楽不動産の安心サポート
給湯器など付帯設備の故障トラブル
建物本体だけでなく、エアコン、給湯器、食洗機などの付帯設備に関するトラブルも頻発します。「引き渡し直後にお湯が出なくなった」「エアコンが効かない」といったクレームです。
中古住宅の場合、設備の経年劣化は避けられませんが、契約時に「どの設備がどのような状態か」を明確にしておく必要があります。「付帯設備表」には、各設備の「有・無」だけでなく、「故障・不具合」の有無を正確に記載しましょう。
すでに故障している設備がある場合は、「故障しており使用不可」と明記するか、撤去してから引き渡すのが安全です。「使えるはず」という曖昧な状態で引き渡すと、後から修理費用を請求される原因になります。また、特約で「設備の修復義務を免責する(現状渡しとする)」条項を入れることも有効な対策です。
地中埋設物や境界線に関する紛争
土地に関するトラブルも、解決に時間と費用がかかる厄介な問題です。解体後に地中からコンクリートガラや古井戸、浄化槽などの埋設物が見つかった場合、その撤去費用は売主が負担するのが一般的です。
また、隣地との境界線が曖昧なままだと、引き渡し後に「塀が越境している」「土地の面積が違う」といった争いが起きることがあります。これらは契約不適合責任に該当する可能性があります。
土地の売却や古家付き土地の売却では、事前に地歴(過去に何が建っていたか)を調査することや、確定測量を行って境界杭を明示することが重要です。特に古い土地の場合は、境界確認書の有無を確認し、もし無い場合は専門家に依頼して測量を行うことを強くおすすめします。
トラブルを未然に防ぐための準備とは?

ここまで紹介したトラブルの多くは、事前の準備と情報開示によって防ぐことができます。売主としてできる具体的なアクションを3つ紹介します。
物件状況確認書を正直かつ詳細に書く
「物件状況報等報告書」は、物件の不具合や過去の修繕履歴、近隣の状況などを売主が記入して買主に伝える重要な書類です。ここには、どんなに些細なことであっても、知っている事実はすべて正直に記載してください。
「書きすぎると売れないのではないか」と不安になるかもしれませんが、むしろ逆です。不具合を正直に伝えた上で、それを納得して購入してもらうことが、契約不適合責任を回避する最良の手段です。契約書に記載された不具合については、売主は責任を負わないとする特約が有効になるからです。
建物状況調査を実施して状態を把握する
自分でも気づいていない建物の不具合を把握するために、「建物状況調査(インスペクション)」を利用するのも有効です。これは建築士などの専門家が、建物の劣化状況や欠陥の有無を客観的に診断するものです。
インスペクションを実施し、その結果を買主に開示することで、物件の透明性が高まり、安心感を与えることができます。また、「検査済み」であることをアピール材料にできるメリットもあります。費用は数万円かかりますが、将来の数百万円の賠償リスクを回避するための保険と考えれば安いものです。
参考:国土交通省「建物状況調査(インスペクション)活用の手引き」
参考:住宅瑕疵担保履行法および住まいの安心総合支援サイト
境界確定測量を早めに依頼する
土地の境界トラブルを防ぐためには、「確定測量図」を作成し、隣地所有者との間で境界確認書を取り交わしておくことが基本です。測量には数ヶ月の期間を要することもあるため、売却を決めたら早めに土地家屋調査士へ依頼しましょう。
もし隣地所有者が不明だったり、境界の合意が得られなかったりすると、売却自体が難航することもあります。不動産会社と相談し、現況測量図で進めるのか、確定測量を必須とするのか、戦略を早めに決めておくことがスムーズな取引への鍵となります。
【関連記事】市街化調整区域の家・土地を売却するには?売れない理由と成功させる4つの方法を解説-【岡山県】不動産売却・査定・買取|後楽不動産の安心サポート
万が一トラブルになった時の相談先は?

どんなに注意していても、トラブルが発生してしまうことはあります。当事者同士での解決が難しい場合は、専門的な第三者機関に相談することをおすすめします。
宅地建物取引業協会や不動産流通推進センター
不動産会社とのトラブルに関しては、その会社が所属している「宅地建物取引業協会(宅建協会)」や「全日本不動産協会」の相談窓口が利用できます。多くの不動産会社はいずれかの団体に加盟しており、苦情解決業務の一環として相談に乗ってくれます。
また、「不動産流通推進センター」や「不動産適正取引推進機構」などの公的機関も、不動産取引に関する電話相談を受け付けています。中立的な立場からアドバイスをもらえるため、まずは状況を整理して相談してみるとよいでしょう。
参考:苦情の解決業務|全宅保証
参考:不動産相談|公益財団法人不動産流通推進センター
参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構|不動産取引に関する電話相談
国民生活センターや法テラス・弁護士
契約解除や金銭的な損害賠償など、法的な判断が必要な深刻なトラブルに発展した場合は、「国民生活センター(消費者ホットライン188)」や「法テラス(日本司法支援センター)」が相談先となります。
法テラスでは、経済的に余裕のない方向けに無料法律相談を行っています。さらに具体的な解決を求める場合は、不動産トラブルに詳しい弁護士への依頼を検討してください。費用はかかりますが、法律のプロを代理人に立てることで、精神的な負担を減らし、適切な解決を目指すことができます。
参考:消費者ホットライン|消費者庁
参考:無料法律相談のご利用の流れ|無料法律相談・弁護士等費用の立替|法テラス
まとめ
不動産売却におけるトラブルは、その多くが「情報の開示不足」や「認識のズレ」から生じます。この記事の要点を振り返ります。
- 契約前・中・後それぞれのフェーズで起きやすいトラブルを知り、先回りして対策する。
- 「契約不適合責任」を回避するため、物件の不具合は隠さず告知書にすべて記載する。
- 仲介手数料や契約解除の条件など、金銭に関わる取り決めは必ず書面で確認する。
- 不明点は放置せず、専門家や相談窓口を活用して早めに解決を図る。
不動産売却は大きな取引ですが、正しい手順と誠実な対応を心がければ、過度に恐れる必要はありません。この記事で紹介した対策を一つひとつ実践し、信頼できる不動産会社と二人三脚で進めることで、納得のいく安全な売却を実現してください。あなたの売却活動が無事に成功することを願っています。
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