【売却?賃貸?】突然の転勤が決まったら、持ち家をどうするべきか?

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突然の転勤が決まると、持ち家の扱いについて悩む方が多いでしょう。特に、購入から1年も経たないうちに転勤が決まってしまう場合は、何をすべきか困惑してしまうことも少なくありません。転勤時に持ち家を売却するか、賃貸に出すか、その選択にはそれぞれメリットとデメリットがあります。また、住宅ローンが残っている場合には特別な注意点もあります。

この記事では、転勤時に持ち家を売却する場合と賃貸に出す場合のメリットとデメリット、さらに住宅ローンが残っている場合の注意点について詳しく解説します。持ち家の最適な処分方法を見つけるための参考にしていただければ幸いです。ぜひ最後までご覧ください。

目次

売却のメリット・デメリット

売却のメリット・デメリット

転勤が決まったとき、持ち家をどうするかは重要な決断となります。持ち家を売却するか、賃貸に出すか、それぞれにメリットとデメリットがあります。この記事では、転勤が決まった際に持ち家を売却する場合のメリットとデメリットについて深掘りしていきます。

売却のメリット

1. 維持費の負担がなくなる

持ち家を売却する最大のメリットは、維持費の負担がなくなることです。具体的には以下のような費用が削減されます:

  • 固定資産税: 持ち家には毎年固定資産税がかかります。売却すれば、この費用を支払う必要がなくなります。
  • 住宅ローン: 住宅ローンを完済するために売却することで、毎月のローン返済から解放されます。
  • 管理費・修繕積立金: マンションの場合、管理費や修繕積立金も負担から解放されます。これらの費用は長期的にはかなりの額になりますので、売却することで大きな節約が期待できます。

2. まとまった現金を得られる

売却によって得られるまとまった現金は、新しい物件を購入する際の頭金や、引っ越し費用、その他の生活資金として活用できます。具体的な活用方法は以下の通りです:

  • 次の物件の頭金: 新しい住居を購入する際の頭金に充てることができます。
  • 引っ越し費用: 引っ越しにかかる費用をカバーできます。
  • 投資: 他の投資に資金を回すことも可能です。

3. 転勤期間の変動に影響されない

転勤期間が不確定な場合、持ち家を売却することで、転勤期間の変動による影響を受けることがありません。賃貸に出している場合、突然の帰任や転勤期間の延長に伴う調整が難しくなりますが、売却してしまえばその心配は不要です。

売却のデメリット

1. 売却のための費用が発生する

売却には様々な費用が発生します。主な費用は以下の通りです:

  • 仲介手数料: 不動産業者に支払う手数料で、通常「物件価格×3%+6万円」が相場です。
  • 譲渡所得税: 売却によって利益が出た場合、その利益に対して課税されます。特に短期間での売却は税負担が大きくなります。

2. 戻ってきたときに家を再購入する手間とコストがかかる

戻ってきたときに再び家を購入する必要が生じるため、その手間とコストがかかります。具体的な手間とコストは以下の通りです:

  • 仲介手数料: 再度不動産業者に支払う必要があります。
  • 所有権移転登記: 新しい家を購入する際の登録免許税などの費用がかかります。
  • 引っ越し費用: 新たな引っ越しに伴う費用も発生します。

3. 売却まで時間がかかる

売却には時間がかかります。一般的には、販売期間に3ヶ月以上、売買契約から引渡しまでに1ヶ月以上の時間を要します。準備を含めたトータル期間としては、おおよそ半年程度がかかるのが通常です。この間、引っ越し後も売却活動を続ける必要があります。

【売却の場合】住宅ローンが残っているときの注意点

【売却の場合】住宅ローンが残っているときの注意点

持ち家を売却する際に、住宅ローンが残っている場合には特別な注意が必要です。ここでは、オーバーローンの場合の注意点と、二重で住宅費が発生する場合の対処方法について詳しく解説します。

オーバーローンの場合

オーバーローンとは

オーバーローンとは、住宅ローンの残債が売却額を上回る状態を指します。この場合、売却して得られる金額ではローンの残債を全額返済することができないため、通常の売却は難しくなります。

具体例と対策

例えば、住宅ローンの残債が3000万円である一方、売却額が2500万円の場合、売却後も500万円の残債が残ります。このような場合に取るべき対策は以下の通りです:

  1. 貯金等で不足額を補う
    手持ちの貯金や他の資産を利用して不足額を補い、残債を一括返済する方法です。
  2. 任意売却の利用
    債権者(通常は銀行)の同意を得て、ローンの残債を減額して売却する方法です。債権者との交渉により、残債を圧縮し、売却後の毎月の返済額を軽減することができます。ただし、任意売却を利用すると、債務不履行となり、信用情報に影響を与えるため慎重に検討する必要があります。
  3. リースバックの活用
    自分の家を売却し、その後に賃貸として借りる方法です。これにより、売却して現金を得つつ、同じ家に住み続けることができます。ただし、長期的な計画を立てることが重要です。

任意売却のリスク

任意売却を行う場合には以下のリスクがあります。

  • ブラックリストに載る
    債務不履行として扱われるため、信用情報に記録されます。これにより、今後5〜7年の間、ローンの利用が難しくなります。
  • 信用の低下
    クレジットカードの発行や他のローン(自動車ローンなど)も利用しづらくなります。

二重で住宅費が発生する場合

二重ローンとは

転勤先が賃貸物件である場合、持ち家の住宅ローンと転勤先の家賃が同時に発生し、二重で住宅費を支払う必要があります。これは家計に大きな負担となります。

対策方法

◾️買取を利用する:早期売却を可能にするために、不動産会社による買取を利用する方法があります。買取を利用することで、以下の利点があります。

  • 早期売却が可能: 不動産会社の買取なら、2週間程度で売却が完了する場合もあります。これにより、転勤が決まってすぐに売却し、二重ローンの発生を防ぐことができます。
  • 手続きが簡単: 買取の場合、内覧対応が不要であり、スムーズに売却手続きを進めることができます。

◾️転勤先の住居費を抑える:転勤先での住居費を抑える方法も検討します。例えば、会社の社宅や寮を利用することで家賃負担を軽減できます。また、住宅手当が支給される場合もありますので、会社の福利厚生を活用しましょう。

◾️賃貸収入で補う:持ち家を賃貸に出して家賃収入を得ることで、住宅ローンの支払いに充てることができます。ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 賃貸のリスク: 借り手がすぐに見つからない場合や、空室期間が発生するリスクがあります。
  • 契約の制約: 定期借家契約を利用することで、転勤から戻ってきたときに家を取り戻しやすくなりますが、賃料が低くなる傾向があります。

賃貸のメリット・デメリット

賃貸のメリット・デメリット

次に、持ち家を賃貸に出す場合のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

賃貸のメリット

1. 戻ってきたときに再び住める

賃貸に出す最大のメリットは、転勤期間が終了した際に再び自分の家に住むことができる点です。これにより、以下の利点があります。

  • 慣れ親しんだ環境に戻れる: 家族が慣れた地域に戻ることで、子供の学校や通勤がスムーズに再開できます。
  • 再購入のコストが不要: 新たに家を購入する手間やコストがかからず、引っ越し費用も削減できます。

2. 建物管理も兼ねる

他人に貸すことで、建物の管理が自然と行われます。具体的には以下のような管理が期待できます。

  • 換気や排水の定期的な実施: 住人が定期的に換気や排水を行うため、カビや悪臭の発生を防げます。これにより、建物の資産価値を維持することができます。
  • 基本的なメンテナンス: 軽微な修繕や清掃が行われることで、建物が良好な状態に保たれます。

3. 家賃収入を得られる

賃貸に出すことで、定期的に家賃収入を得ることができます。これにより以下のような経済的なメリットがあります。

  • 住宅ローンの補填: 家賃収入を住宅ローンの支払いに充てることで、家計の負担を軽減できます。
  • 投資効果: 家賃収入を貯蓄や他の投資に回すことができ、資産形成に役立ちます。

賃貸のデメリット

1. 確定申告が必要

賃貸収入が発生すると、確定申告が必要になります。具体的には以下の手続きが必要です。

  • 申告の手間: サラリーマンでも給与所得以外の所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。確定申告には時間と手間がかかり、初めての場合は特に煩雑に感じることがあります。
  • 税務リスク: 確定申告を適切に行わないと、税務署からの指摘を受けるリスクがあります。

2. 他人に使われるリスク

他人に貸すことで、以下のようなリスクが伴います。

  • 物件の損傷: 借主が乱暴に使ったり、設備や建具を破損する可能性があります。特に、自分でこだわって設置した高価な設備や内装が傷つけられるリスクがあります。
  • 修繕費用の負担: 物件が損傷した場合、その修繕費用をオーナーが負担する必要があります。

3. 転勤期間の変動に対応しにくい

賃貸に出すことで、転勤期間が変動した場合に柔軟に対応できないデメリットがあります。

  • 賃貸契約の制約: 突然の転勤終了時に、賃貸契約期間中であれば自分の家に戻れない可能性があります。特に普通借家契約では、正当な事由がない限り契約を解除することが難しいです。
  • 立ち退きの手間: 賃貸借契約を終了させるために立ち退きを求める手間や立ち退き料が発生することがあります。

4. 空室のリスク

賃貸に出してもすぐに借り手が見つかるとは限らず、空室期間中の維持費がかかります。

  • 収入の不安定: 借り手が見つからない期間は家賃収入が入らず、固定資産税や管理費、修繕費などの支出のみが発生します。
  • ローンの負担: 空室期間中でも住宅ローンの返済は続くため、二重の経済的負担となります。

【賃貸の場合】住宅ローンが残っているときの注意点

【賃貸の場合】住宅ローンが残っているときの注意点

持ち家を賃貸に出す際に、住宅ローンが残っている場合には特別な注意が必要です。ここでは、投資ローンへの借り換えや住宅ローン控除の適用に関する注意点について詳しく解説します。

投資ローンへの借り換えが必要

住宅ローン返済中の持ち家を他人に賃貸する場合、住宅ローンの契約条件として自分が居住することが前提となっています。そのため、他人に貸す場合は住宅ローンから投資ローン(アパートローン)への借り換えが必要です。

まず、住宅ローンは自己居住用の物件購入を目的として低金利で提供されています。これを賃貸用に転用すると契約違反となり、金融機関から一括返済を求められるリスクがあります。借り換えを行うことで、このリスクを回避し、正当な手続きで物件を賃貸に出すことができます。

次に、投資ローンは通常の住宅ローンに比べて金利が高く、返済期間も短く設定されることが一般的です。これにより、毎月の返済額が増加する可能性があるため、家計への影響を十分に考慮する必要があります。また、借り換えには新たな審査が必要であり、手続きも複雑です。金融機関との交渉や書類準備などに時間と手間がかかることを理解しておきましょう。

住宅ローン控除が受けられない

住宅ローン控除とは、自分が住むための住宅を取得する際に利用できる税控除制度です。転勤で自宅を賃貸に出した場合、以下のような影響があります。まず、自宅を賃貸に出している期間は、住宅ローン控除を受けることができません。このため、転勤先での居住期間中は控除が停止され、税負担が増加します。

また、転勤が終了し、自宅に再入居した場合でも、再び住宅ローン控除を受けるには1年の期間が必要です。これにより、再入居後すぐに控除を再開できず、一定期間は控除を受けられないことになります。

売却か賃貸かを選ぶ際の判断基準

売却か賃貸かを選ぶ際の判断基準

持ち家を売却するか賃貸に出すかを判断する際には、転勤の期間や不動産会社の査定結果を考慮することが重要です。以下に具体的な判断基準を詳しく解説します。

転勤の期間を考慮する

短期間の転勤で戻る可能性が高い場合は、賃貸に出す方が合理的です。賃貸に出すことで、転勤終了後に再び自分の家に戻ることができ、再購入の手間やコストを省けます。

一方、長期間の転勤で戻る可能性が低い場合は、売却を検討する方が良いでしょう。長期間の賃貸は、管理の手間や空室リスクが高まるため、売却して資産を現金化することで、経済的な負担を軽減できます。

不動産会社の査定を受ける

まず、不動産会社に査定を依頼し、持ち家の現在の市場価値を確認します。査定結果を基に、売却額を予測し、売却か賃貸かの判断材料とします。不動産会社による査定は、物件の特徴や市場動向を踏まえたものであり、信頼性の高い情報を得ることができます。

次に、買取サービスの利用を検討します。買取サービスを利用することで、売却までの期間を短縮し、早期に現金化することができます。転勤が決まってすぐに売却できるため、二重ローンの発生を防ぎ、経済的な負担を軽減できます。また、買取サービスを利用することで、引越しや転勤のスケジュールに合わせた柔軟な対応が可能です。

まとめ

転勤時に持ち家を売却するか賃貸に出すかの決断は、転勤の期間や住宅ローンの状況、不動産市場の動向など多くの要素を考慮する必要があります。短期間の転勤であれば賃貸に出す方が合理的ですが、長期間の転勤では売却を検討することが望ましいでしょう。さらに、不動産会社の査定を受けて正確な売却額を把握し、買取サービスの利用を検討することで、スムーズな売却と現金化が可能となります。

持ち家の最適な処分方法を見つけるために、不動産の専門家に相談することをおすすめします。自身の状況に最適な選択を行い、安心して新しい環境での生活を始めてください。

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